Sandboxシード用の復元専用組織の設定
概要
Salesforce組織を使用して、開発、テスト、またはトレーニングのために本番データの一部のみを復元したい場合があります。inSync管理コンソールで復元専用のSalesforce組織を追加しinSync組織間の復元を実行することで、必要な環境をすばやく作成できます。inSyncは復元専用組織として設定されている場合、その組織内にinSync app for Salesforceをインストールしません。
復元専用のSalesforce組織の構成
復元専用組織を追加するには、次のものが必要です。
前提条件
- バックアップ対象として設定する組織のSalesforceシステム管理者アカウントの詳細を取得します。
- inSyncに以下の権限を付与して、Salesforceデータにアクセスします。
- API対応の権限
- ユーザーの管理
- すべてのデータの変更
- メタデータAPI関数によるメタデータの変更
- Chatterの有効化
- すべてのデータの表示
- すべてのユーザーの表示
<ヒント> Druva inSyncはChatter APIを使用してすべてのユーザーのファイルをリストおよびフェッチするため、ユーザーに関連する権限が必要になります。
復元専用のSalesforce組織を設定するには、以下を行います。
- inSync管理コンソールのメニューバーで、Data Sources > Cloud App をクリックします。[ Manage Cloud Apps ] ページが表示されます。
- Salesforceクラウドアプリを選択し [ Configure ] をクリックします。inSyncでバックアップ対象として登録されているSalesforce組織の既存リストが表示されます。
- [ Add Account ] をクリックして、バックアップ対象の新しいSalesforce組織を追加します。[ Add Salesforce Account ] ウィンドウが表示されます。
- [ Select account type ]ドロップダウンリストで、新しい組織に割り当てるアカウントタイプを選択します。
- Account purpos を [ Restore Only ] に設定して [ OK ] をクリックします。
バックアップ対象に選択されたSalesforce クラウド環境のログインページにリダイレクトされます。 - Salesforce組織におけるSalesforce管理者のユーザー名とパスワードを入力し、[ Sign in ] をクリックします。inSyncがSalesforceデータにアクセスするために必要な権限の一覧が表示されます。
- 権限を確認し、Accept をクリックします。
これで復元専用の組織がinSync管理コンソールに登録され、Salesforceアカウントリストに表示されます。App Statusは [ Connected ] と表示されますが、[ App Status Info ] は [ Configured for Restore only ]と表示されます。
<ヒント> 復元のみの組織でバックアップを有効にするには、以下の手順で説明するようにinSync管理コンソールで組織を再構成する必要があります。
復元専用組織でデータを復元するために必要な権限と確認事項
組織を複製するか、大組織の一部を作成するかに関係なく、復元専用の組織でデータを正常に復元するには以下に示す権限と確認事項が不可欠です。
- すべてのデータを変更する権限が復元専用組織で有効にする必要があります - inSyncは、復元時にデータの読み取り、書き込み、上書きを行うためにこの権限を必要とします。
- 復元専用組織には、復元されたデータを収容するための適切なストレージ領域が必要です - Salesforce管理者は、復元専用組織に適切なストレージ領域があることを確認する必要があります。この領域は、子のレコードと添付ファイルを格納し、復元がストレージの制限を超えないようにするのに十分なものである必要があります。
- 復元専用組織のスキーマは、復元されるデータのスキーマと一致する必要があります -スキーマの不一致により、全体または一部の復元が失敗する可能性があります。
- 復元専用組織には適切なAPI上限が必要です - inSyncはAPIコールを使用して復元専用組織にデータを復元します。これらのAPIはSalesforceによって各組織に割り当てられたAPI割当量から消費されます。API割当量が復元を完了する前にすべて消費されると、復元は不適切なAPI上限エラー (inadequate API quota error) で失敗します。
- Apexトリガーは、復元専用組織で無効にする必要があります- オブジェクトが復元専用組織に復元されると、Apexトリガーによってデータ検証ルールとワークフローがアクティベートされる場合があります。このため復元中にエラーが発生するか、復元が失敗することがあります。
復元専用組織のバックアップの有効化
復元専用組織のバックアップを有効にする場合は、バックアップとリストアを実行するように組織を再度構成できます。復元専用組織をバックアップおよびリストア可能な組織に変更するには、以下を実行する必要があります。
inSync管理コンソールに登録されている復元専用組織をバックアップおよびリストア可能な組織に変更する手順です。この設定の最後にinSync app for SalesforceがSalesforce組織内にインストールされ、組織は設定されたスケジュールに従ってバックアップされます。
<参考> 組織でバックアップが有効になっていても、復元専用組織のアカウントタイプは同じままです。
復元専用組織をバックアップおよびリストア組織として再構成する
復元専用組織を再構成するには以下を行います。
- inSync管理コンソールのメニューバーで、Data Sources > Cloud App をクリックします。[ Manage Cloud Apps ] ページが表示されます。
- Salesforceクラウドアプリのリンクをクリックし、バックアップを有効にする復元専用組織を選択します。
- [ Configure ] をクリックします。[ Add Salesforce Account ] ウィンドウが表示されます。
- Account purpose を Backup and Restore に設定し、[ OK ] をクリックします。復元専用組織でバックアップを有効にする場合、[ Select account type ] フィールドの値を変更することはできません。
- バックアップ対象に選択されたSalesforce クラウド環境のログインページにリダイレクトされます。
- Salesforce組織におけるSalesforce管理者のユーザー名とパスワードを入力し、[ Sign in ] をクリックします。inSyncがSalesforceデータにアクセスするために必要な権限が表示されます。
- 権限を確認して Accept をクリックし、inSyncにSalesforceのデータへのアクセス権を付与します。
- inSyncはSalesforce環境にinSync app for Salesforceをインストールしようとします。[ Install for Admins Only ] オプションを選択し [ Install ] をクリックしてSalesforce管理者専用のinSyncアプリケーションをインストールします 。
- [ Approve Third-Party Access ] ページが表示されます。このページには、Salesforceのバックアップおよび復元操作を実行中にSalesforceのinSyncアプリが通信するinSyncクラウドURLが一覧表示されます。[ Yes, grant access to these third-party websites ] チェックボックスをチェックして、[ Continue ] をクリックします 。
- inSync app for Salesforceがインストールされます。次の操作を実行するための手順が記載されたページが表示されます。手順を読み、[ Done ] をクリックします。
Salesforce組織はバックアップおよびリストア対象としてinSyncで再構成されます。inSync app for SalesforceがSalesforce環境にインストールされます。[ Installed Packages ] ページにインストール済みアプリケーションとしてinSync app for Salesforce が表示されていることも確認できます。inSyncでは、Salesforce環境におけるアプリケーションの正常インストールについての確認メールも送信されます。クラウドアプリアカウントの管理ページでSalesforce組織の詳細を表示することもできます。
バックアップを実行するよう組織を設定する
Salesforce組織をinSyncに登録すると、inSyncは必要な権限でSalesforce組織に接続します。バックアップを開始するには、登録済みのSalesforce組織を以下のように構成する必要があります。
- 1日のAPI上限 (Daily API Quota) - inSyncは、Salesforce組織でオブジェクトのバックアップを実行するときにAPIを使用します。Salesforce管理者は、Salesforceによって組織に設定されている1日のAPI使用上限を認識しておく必要があります。通常、API制限はSalesforceで使用するアプリケーションの重要度と、組織が毎日生成するデータのサイズに基づいて設定されます。Druva inSync for Salesforceは、初回バックアップ時にAPIを上限まで使用します。以降は差分バックアップであり、APIは最小限が消費されるだけなので、API上限値はそれに応じて変更できます。
Druvaでは、API上限を設定する前に環境内におけるデータ生成量を試算することが推奨されます。
Salesforce組織からオブジェクトをバックアップするときにinSyncで消費される適切なAPIコール数を指定する必要があります。inSyncがSalesforceオブジェクトのバックアップを実行している間に消費するAPIコール数に関するガイドラインを以下に示します。
inSync APIの使用は、各レコードのフィールド数とレコードのサイズによって異なります。一般的に、APIの使用法は次のとおりです。-
200〜1000レコードごとに1つのAPIコール
-
ファイルと添付ファイルごとに2つのAPIコール
inSyncは、組織に対してSalesforceで許可された1日のAPIコールの10%を計算します。計算された値が15000を超える場合、組織におけるデフォルトの1日のAPI上限としてその値が設定されます。値が15000以下の場合、デフォルトの1日API上限は15000に設定されます。
例:- Salesforceによって組織で許可されている1日のAPIコールが100,000の場合、デフォルトの1日のAPI上限は15,000に設定されます。
- Salesforceによって組織で許可されている1日のAPIコールが200,000の場合、デフォルトの1日のAPI上限は20,000に設定されます。
-
inSyncは、バックアップに必要な数のAPIのみを消費し、割り当てを完全には消費しない場合があります。1日のAPIクォータは、バックアップでinSyncが消費できるAPIの最大数を示します。管理者は、inSync管理コンソールから、またはSalesforceのinSyncアプリを介してSalesforceから割り当てを変更できます。最小および最大のクォータ制限は、それぞれ1および1,000,000です。
-
バックアップ間隔 (Backup Interval) - inSyncがSalesforceデータをバックアップする間隔を指定する必要があります。
- Salesforce Storage - デフォルトでは、inSyncで登録済みのSalesforce組織にストレージは割り当てられません。inSyncはSalesforceデータ用に別のストレージを提供します。Salesforce組織を設定するときは、リージョンで利用可能なSalesforceストレージを選択する必要があります。Salesforceストレージを選択すると、すべてのSalesforceデータがSalesforce組織からバックアップされ、当該Salesforceストレージに保存されます。
前提条件
- inSyncのSalesforce組織が登録済みであること。
- 上記の情報を使用して計算されたAPI上限のおおよその値があること。
- inSync app for Salesforceのインストールが正常に完了したことをSalesforceからのEメールで確認できていること。
手順
- inSync管理コンソールのメニューバーで、[ Data Sources ] > [ Cloud App ]の順にクリックします。[ Manage Cloud Apps ]ページが表示されます。
- Salesforceクラウドアプリを選択し、[ Configure ]をクリックします。バックアップ用に登録された既存のSalesforceアカウントのリストが表示されます。
- App Status が Storage not assigned で、App Status info が Assign storage と表示される場合、手順5に進んでください。
- App Status が Package not installed で、App Status info が Confirm package installation と表示される場合、次の手順を実行します。
- Salesforceからパッケージインストールのメールを受け取っているか確認してください。電子メールを受信していない場合、パッケージのインストールが進行中の可能性があるので、メールを待ちます。
- [ App Status info ] 配下の [ Confirm package installation ] リンクをクリックします。
- 確認メッセージで [ Confirm Package Installation ] をクリックします
確認できると、[ App Status ] に Storage not assigned と表示され、 [ App Status info ] に Assign storage リンクが表示されます 。
- [ Assign storage ] リンクをクリックして設定に進みます。
- 以下の設定に適切な値を指定します。
- Daily API Quota (1日のAPI上限) - レコード数とそのサイズに基づいて、inSyncが1日のバックアップで使用できるAPIコール数を計算して指定します。デフォルトの制限は15000 APIです。
- Backup Every (バックアップ間隔) - inSyncがSalesforceデータをバックアップする各バックアップ間の時間間隔を指定します。
- Storage (ストレージ) - inSyncがSalesforceデータをバックアップするリージョンのSalesforceストレージを選択します。
<重要> Salesforceストレージを割り当てると、変更することはできません。
- [ Save ]をクリックして、指定した設定を保存します。
inSyncは、選択したストレージをSalesforce組織に割り当て、すぐにバックアップを開始します。