リモートユーザー向け統合一括導入によるデバイス移行
概要
デバイス交換は、ほとんどの組織でデバイスを最新のソフトウェアバージョンにアップグレードするために実施されます。壊れた、最新のソフトウェアにアップグレードしたい、デバイスが紛失や盗難に遭った、という理由でユーザーのデバイスを交換する必要がある場合、ユーザーにとって古いデバイスから新しいデバイス(または交換されたデバイス)へのデータの復元が難しい場合もあります。
古いデバイスから新しいデバイスにデータを復元する際のデータ損失の問題に対処するため、inSyncでは管理者によってリモートで実行される管理者主導のデバイス置き換え機能があります。ユーザーが新しいデバイスにログインすると、inSyncはリストアされたデータを関連する復元先パスとフォルダーに自動的にマッピングします。
inSync では古いデバイスを置き換えるのではなく、inSyncクライアントに新しいデバイスを追加するオプションがあります。これは新しいデバイスがアクティベートされ出荷されている間に古いデバイスでデータ更新が行われる可能性を避けるためのオプションです。ユーザーはinSyncクライアント上で2つのデバイスを持ち、新しいデバイスを受け取った後も両方のデバイスを使用し続けることができます。詳細は リモートユーザー向け新規デバイスの追加 を参照してください。
リモートデバイス交換の利点
- ユーザーの負荷を最小限に抑えながら、デバイスはinSync管理者によって遠隔交換されます。
- inSync 管理者は新しいデバイス上でユーザーデータを復元し、その間にデータが失われないようにすることができます。
- ネットワーク接続不良や利用可能帯域の問題による復元の失敗が最小限に抑えられます。
- ユーザーはデータ復元済みの新しいデバイスを取得できます。
- 関連するパスやフォルダーにマッピングできない復元データであっても一時的な場所に保管されるため、inSyncクライアントをアンインストールしない限りデータは損失しません。
リモートデバイス交換の制限事項
- すべてのユーザーデータは常に復元され、他のデータが存在する場合は上書きされます。他のデータが暗号化されて存在する場合は復元されません。
- デバイス交換時、ADユーザーの共有データは同期されません。AD以外のユーザーの場合にのみ同期されます。
- ユーザーがデータプライバシー設定を有効にしている場合、デバイス交換は機能しません。
- OpenLDAPユーザーは、デバイス交換がサポートされません。
inSync 管理者はAD (Active Directory) または非ADユーザー向けの統合一括導入 (IMD) を使用してデバイスを遠隔で置き換えることができます。
ADユーザー向けデバイス交換手順
ADユーザー向けのデバイス交換手順を以下に示します。
inSync 管理者の操作:
- inSync 管理コンソールでリプレイスするデバイスをマークし、デバイス交換プロセスを開始します。
システム管理者の操作:
- IMDを使用して、inSyncクライアントをユーザーの新規デバイスにインストールし、新規デバイスにログインします。
- inSync クライアントは新規デバイスにすべてのデータを復元します。
この手順の後に、新規デバイスをユーザーに配送します。
Note: システム設定とMAPIデータは復元のためにスケジュールされません。
ユーザーの操作:
- Active Directory の認証情報を使用して新規デバイスにログインします。
- inSync クライアントがシステム設定とMAPIデータを復元します。その後、inSync クライアントは一時的な場所に保存された復元データを必要に応じて関連するパスやフォルダーに移動します。
以上で、デバイスが利用できる準備が完了します。
ADユーザー向けデバイス交換手順
以下の表にIMD (統合一括導入) デバイス交換の手順をまとめます。
手順 | Description |
---|---|
手順 1 | リプレイスが必要なデバイスをマークします。詳細は デバイスのリプレイス対象化 を参照してください。 |
手順 2 | 一括導入トークンを生成します。詳細は 一括導入トークンの生成 を参照してください。 |
手順 3 |
デバイス交換パラメータとともに IMD コマンドを実行します。詳細は デバイス移行パラメータの詳細 を参照してください。 |
手順 4 | inSync クライアントが新規デバイス上ですべてのデータを復元します。詳細は 復元データの一時保管ディレクトリ を参照してください。 |
手順 5 | デバイスがユーザーに配送されます。ユーザーが実行すべき手順については Remotely replace a device linked to your inSync account を参照してください。 |
非ADユーザー向けデバイス交換手順
以下に非ADユーザー向けデバイス交換手順をまとめます。
inSync 管理者の操作:
- inSync 管理コンソールでリプレイスするデバイスをマークし、デバイス交換プロセスを開始します。
システム管理者の操作:
- 新規デバイスにログインし、ローカルアカウントを作成します。
- IMDを使用して inSync クライアントをユーザーの新規デバイスにインストールします。
- 新規デバイスにユーザーとしてログインします。
- inSync クライアントがシステム設定やMAPIデータを含むすべてのデータを新規デバイスに復元します。
- inSync クライアントは一時的な場所に保存された復元データを必要に応じて関連するパスやフォルダーに移動します。
デバイスはユーザーに配送される準備ができました。
ユーザーの操作:
- 利用準備が整った新規デバイスにログインします。
非ADユーザー向けデバイス交換手順
以下の表にIMD (統合一括導入) デバイス交換の手順をまとめます。
手順 | 説明 |
---|---|
手順 1 | リプレイスが必要なデバイスをマークします。詳細は デバイスのリプレイス対象化 を参照してください。 |
手順 2 | 新規デバイスにユーザーアカウントを作成します。 |
手順 3 | 一括導入トークンを生成します。詳細は 一括導入トークンの生成 を参照してください。 |
手順 4 | デバイス交換パラメータとともに IMD コマンドを実行します。詳細は デバイス移行パラメータの詳細 を参照してください。 |
手順 5 | 新規デバイスにユーザーとしてログインします。 |
手順 6 | inSync クライアントが新規デバイス上でシステム設定とMAPIデータを含むすべてのデータを復元します。詳細は 復元データの一時保管ディレクトリ を参照してください。 |
手順 7 | inSync クライアントが一時的な場所に保存された復元データを必要に応じて関連するパスやフォルダーに移動し、ユーザーにデバイスが配送されます。詳細は AD以外のユーザー向けデバイス移行 を参照してください。 |
手順 8 | デバイスがユーザーに配送されます。ユーザーが実行すべき手順については Remotely replace a device linked to your inSync account を参照してください。 |