NAS共有向けPhoenixについて
Phoenix Editions: Business
Enterprise
Elite
Phoenix では、実用的かつ費用対効果の高い手法でNASデバイス上のデータを保存、管理、アーカイブ、リストアを行えます。PhoenixによるNASデバイスのサポートには以下のような特徴があります。
- スケーラブルなNASエージェントで、大規模なNAS展開向けに並列で高性能なバックアップが可能
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変更があるかに関係なくすべてのデータを繰り返しバックアップするのではなく、バックアップ対象のデータが変更されているかを識別するメタデータ分析による機械学習を含むスマートスキャン方式
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デバイス移行やデータ分析の用途に対応する、汎用データ形式とベンダーに依存しない方式
Phoenix コンポーネント
NAS共有向けのPhoenix コンポーネントには以下があります。
- Phoenix クラウド: PhoenixのサーバーコンポーネントでNASプロキシから来るバックアップおよびリストア要求の認証や許可を行います。NASプロキシは別のWindowsまたはLinuxサーバーにインストールされ、要求をPhoenixストレージにリダイレクトします。
- Phoenix 管理コンソール: Phoenix管理コンソールはWebベースの統合コンソールで、NASデバイスの場所に関わらず、管理しているNASデバイスの完全な可視性と状態やステータスに関する詳細を提供します。組織のストレージ基盤内のすべてのNASデバイスを表示し、バックアップ、リカバリ、データアーカイブ用にNAS共有を構成します。このコンソールでは、Phoenix管理者は以下が行えます。
- 組織のサーバー基盤上のNASデバイスをバックアップ用に登録、構成
- バックアップポリシーの定義とリストア開始によるPhoenix操作の制御
- バックアップとリストアのジョブ、アクティビティ、レポートの監視
- NAS プロキシ: NAS プロキシはWindowsまたはLinuxサーバー上にインストールされる Phoenix エージェントで、NAS共有からのバックアップおよびリストア要求を処理します。Phoenixとの接続を確立するには、NASプロキシをインストールしてアクティベートする必要があります。PhoenixとNASデバイス間のリンクは、アクティベートされたNASプロキシをNASデバイスとマッピングすると確立されます。1台のデバイスに複数プロキシをマッピングしたり、複数のバックアップセットに割り当てたりすることができます。
- Phoenix CloudCache: Phoenix CloudCacheはエージェントからのバックアップデータやリストアデータを一時的に保存する専用サーバーです。保存後、定期的にPhoenix CloudCacheはデータをPhoenixマスターと同期させ、インフラの帯域消費を緩和します。
バックアップ機能
Phoenix はNAS共有に対して以下のバックアップ機能を提供します。
手動バックアップ
手動バックアップでは、Phoenixはバックアップポリシーで定義されているデータのみをバックアップします。バックアップポリシーで定義されたバックアップウインドウでは、手動バックアップの制限は適用されません。代わりにすべてのデータがバックアップされるまで続きます。バックアップ中にネットワーク接続障害が発生した場合、NASプロキシはPhoenixクラウドとの接続を試みます。接続が復旧すると、中断したときの状態からバックアップが再開されます。手動バックアップではネットワーク帯域制限は行われず、利用できる最大帯域を使用します。自動リトライ機能は手動バックアップでは機能しません。
空のフォルダーのバックアップ
Phoenix は空のフォルダーをバックアップして復元できます。SMB共有では、空のフォルダーのバックアップおよびリストアを行うためにUSNジャーナルを有効にする必要があります。
スマートスキャン
スマートスキャン機能はバックアップジョブ実行時のスキャン時間を最適化します。特定のファイルやフォルダー、アクセス制御リストがバックアップ時にスキャンされなくなると、Phoenixで時間削減となります。スマートスキャン機能には、Phoenixがファイルやフォルダーをスキャンしてバックアップするときにスキップする項目の選択オプションがあります。スマートスキャンが有効になると、以下となります。
- アクセス制御リスト (ACL) のスキャンをスキップするよう選択できます。
- バックアップ時に指定された期間 (たとえば3か月間) 変更されていないフォルダーはスキャンしないように選択できます。
デフォルトでは、スマートスキャンのオプションは無効になっています。バックアップポリシー作成時または編集時にこのオプションを有効にすることができます。詳細については バックアップポリシーの管理 を参照してください。
注意:
- Skip ACL scan for unmodified files オプションはLinuxサーバーには適用されません。
- スマートスキャンは SMB 共有のみサポートします。
- バックアップポリシーで設定したコンテンツを変更した後の最初のバックアップはフルスキャンになります。それ以降のスキャンは、設定に従って行われます。
バックアップでサポートするファイル種別
新しいバックアップセットを構成する際、 Exclude file types (除外ファイル種別) と Include file types (包含ファイル種別) オプションを設定できます。
デフォルトで除外されるファイル種別には、動画ファイル、音声ファイル、実行ファイル、画像ファイルです。デフォルトで包含されるファイル種別は、Officeファイル、PDFファイル、HTMLファイルです。デフォルトで選択されるファイル種別は変更することができます。
次の表に、バックアップポリシーに包含または除外できるファイル種別を示します。
定義済みファイル種別 | ファイル拡張子 |
---|---|
Office files | .doc, .ppt, .xls, .docx, .docm, .xlsx, .xlsm, .xts, .xltm, .pptx, .pptm, .odt, .odb, .ods, .odp, .odg, .odc, .odf, .odi, .odm, .ott, .ots, .otp, .otg, .otc, .otf, .oti, .oth, .txt, .adp, .adn, .accdb, .accdr, .accdt, .accde, .dotx, .xltx, .mdb, .mda, .mdt, .mdw, .mdf, .mde, .mam, .maq, .mar, .mat, .maf, .ppl |
Image files | .gif, .jpg, .bmp, .png, .tif, .jpeg, .raw, .pic, .pct, .pxr, .sct, .ico, .PSD |
HTML files | .html, .htm, .mht, .mhtml, .shtml |
Audio files | .ogg, .mp3, .wav, .flac, .mpc, .au, .aiff, .aac, .m4a, .ra, .ape, .wma |
PDF files | |
Video files | .avi, .mpg, .mpeg, .divx, .rmvb, .wmv, .mov, .rm, .swf, .flv, .mkv, .3gp, .mp4 |
Executables | .exe, .dll, .msi, .com, .drv, .sys, .cpl, .ocx, .msp |
NAS共有バックアップから除外されるフォルダー
WindowsとLinuxのオペレーティングシステムにはバックアップから除外できるシステム固有のファイルが含まれるため、デフォルトではPhoenixは特定フォルダーをNAS共有バックアップから除外します。たとえば、Windowsサーバー上のごみ箱にはバックアップが不要である削除されたファイルやフォルダーが含まれています。
次の表に、Phoenixがバックアップから除外するデフォルトのフォルダーをまとめます。
OS名 | フォルダー名 |
---|---|
Windows
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Linux
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