リストアのチェックリストと考慮事項
概要
Phoenixを使用してデータベースをバックアップすると、それらを一貫した状態でリストアできます。Phoenixでは以下を使用してデータベースをリストアできます。
- スナップショットを使う
- トランザクションログバックアップを使う
データベースをリストアする前に、リストアのチェックリストと考慮事項を確認してください。
MS-SQLデータベースのリストアチェックリスト
- masterデータベースのリストアは、Restore database files オプションを使用してのみ実行できます。これはマスターデータベースが破損するかもしれない状況を回避するためです。
- ステータスが「Restoring (リストア中)」のデータベースのリストアは失敗する場合があります。リストアするデータベースがRestoring状態になっていないことを確認してください。
- データベースのリストア先ドライブに、リストアされたデータベースを格納するのに十分なスペースがあることを確認してください。
- Phoenixは、アクセス制限、所有者、Broker有効など、一部のデータベース属性のリストアをサポートしていません。
- Phoenixは圧縮フォルダへのリストアをサポートしていません。
- Phoenixは、特殊文字を含むデータベース名のリストアをサポートしません。
- リストア実行中やスケジュールされたバックアップ実行中にクライアントマシンが再起動された場合、ジョブリクエストはクライアントマシンに再送信されない場合があります。
別のSQLサーバーにリストア
MS-SQLサーバーエージェント4.6.5以前の場合:
- 別のサーバーにリストアすることを選択した場合、そのサーバーがMS-SQLサーバーとして構成されていることを確認してください。
- データベースファイルのリストア中に、Phoenixは <ドライブ>\restore\<スナップショット>\<リクエストID> に database_files.txt ファイルを作成します。このファイルには、データベースファイルのデータベースへのマッピング方法、データベースがインスタンスにUnicode形式でマッピングされる方法に関する詳細が含まれています。別のサーバーにリストアするときに、データベースを手動でインスタンスにアタッチするためにこのファイルが必要です。
MS-SQLサーバーエージェント4.6.6以降の場合:
- データベースは、サーバー上のMS-SQLインスタンスに直接リストアできます。ただし、最新のMS-SQLサーバーエージェントがすべてのサーバーにインストールされていることを確認してください。最新のエージェントがインストールされていない場合は、それぞれのリストアポイントをリストアすることはできません。
- Phoenixはバージョン4.7.0以前のクライアントでのAGデータベースのリストアをサポートしません。
- あるバージョンのMS-SQLサーバーから別のMS-SQLバージョンにデータベースをリストアする場合、データベースの互換性を変更する必要があります。詳細については、「ALTER DATABASE互換性レベル(Transact-SQL)」を参照してください 。データベースの互換性の変更は、2016年1月16日以降にリリースされたPhoenixエージェント(4.6.6以降)と連動します。
- データベースの暗号化に使用された証明書と鍵が、データベースのリストア先のSQLサーバーに存在することを確認してください。
リストアに関する考慮事項
- ホットスナップショットはPhoenix CloudCacheの構成時に指定した期間、Phoenix CloudCacheに存在します。
- グループ管理者の場合、管理対象の管理グループに属するサーバーにのみデータをリストアできます。クラウド管理者とデータ保護担当者のロールは、すべての管理グループのサーバーにデータをリストアできます。
- リストア時にネットワーク接続障害が発生した場合、PhoenixエージェントはPhoenix Cloudへの再接続を試みます。接続の回復後、Phoenixエージェントは中断された状態からリストアを再開します。
- スタンドアロンインスタンスのバックアップセットにおけるスナップショットのタイムスタンプは、サーバーのタイムゾーンで表示されます。たとえば、ニューヨークとロンドンにあるサーバーの場合、タイムスタンプはそれぞれESTとUTCのタイムゾーンで表示されます。
- AGのバックアップセットにおけるスナップショットのタイムスタンプは、バックアップセット作成時に設定されたタイムゾーンで表示されます。
- Phoenixは、masterを除くユーザーデータベースとシステムデータベースをrst_<データベース名>としてリストアします。ただし、前回のリストア時にrst_ <データベース名>がすでに作成されている場合、Phoenixはデータセット名に増分カウンタを追加します。たとえばデータベース DB のリストア時に、Phoenix が rst_DB を発見した場合、データベース DB は rst_DB_1 としてリストアされます。既存データセットのリストアが発生するたびにカウンタは1ずつ増加します。
- リストア時に、Phoenixはデータを <宛先パス>\<スナップショット>\<リクエストID>\< ファイルセット>\<実際のファイル> に書き込みます。Phoenixが <スナップショット>\<リクエストID>\< ファイルセット>\<実際のファイル> を追加する <宛先パス> を指定する必要があります。リストアパスの例は次のようになります。F:\restore\ Fri_Feb__6_04_01_59_2015\265\77690254254833a0544ac677149152a92cc3d03a
- <リクエストID> フォルダはリストアリクエストを一意に識別します。<リクエスト ID> または以前のリストアでのサブフォルダー名を変更しないことを推奨します。
- <宛先パス> について、完全パス(<宛先パス>\<スナップショット>\<リクエストID>\< ファイルセット>\<実際のファイル>)の文字列長が260文字以下であることを確認してください。
- Phoenixはmasterデータベースをmasterとしてリストアします。リストアを開始するには、 [ Restore database files ] オプションを使用します。その後、Phoenixが作成したマスターファイルを使用して現在のマスターデータベースを置き換える必要があります。命名規則により、masterデータベースの複数のコピーは同時には存在しないようになります。
- Phoenixは、明示的にデータセットをバックアップから除外しない限り、リストア中に作成されたデータセット(rst_<データベース名>_<カウンタ>)をバックアップします。データベースを除外する方法については、「バックアップポリシの作成」を参照してください 。
- 同一エージェント上でアクティブなバックアップが実行されている場合、元の場所へのリストア要求はキューイングされます。
- SQLバックアップセットのスナップショット数は、フル、差分、トランザクションログの各バックアップによって作成されたスナップショットで構成されます。Data Restoreページには、トランザクションログバックアップによって作成されたスナップショットは表示されません。そのため、[ Restore Data ] ページ内のSQLバックアップセットに表示されるスナップショットの数は、[ Availablility Group ] および [ Instance Details ](サーバーの詳細)ページに表示されるスナップショットの数より少なくなります。
- Unicode文字(UTF-8)を使用したデータベースのバックアップは、可用性グループ(AG)のすべてのノードで成功します。Unicode文字を含むデータベースをAGにリストアしようとしても、データベースをAGに追加できず失敗します。ただし、データベースのリストアはプライマリノードで成功し、Phoenix はJobsページにSuccessful with Errorsステータスを表示します。