ファイルサーバー向けのPhoenix概要
Phoenix Editions: Business
Enterprise
Elite
概要
分散環境におけるファイルサーバーのバックアップとリストアの管理は、通常複数の管理者と複雑なインフラストラクチャを必要とする面倒なプロセスです。Druva Phoenixはグローバルに分散したファイルサーバーのバックアップとリカバリをまとめて容易にします。
Phoenixはサーバー側およびクライアント側の要素を使用してファイルサーバーのバックアップを操作、管理、制御します。
Phoenixは組織内のWindowsおよびLinuxプラットフォーム上で実行されるファイルサーバーにおけるデータの保存、管理、アーカイブ、リカバリを実現可能で費用対効果の高い方法で提供します。PhoenixはWindows 2012ファイルサーバー上でデータ重複排除対応ボリュームのバックアップとリストアをサポートしています。この場合、Phoenixは最適化されていないバックアップとリストアを実行します。重複排除対応ボリュームのファイルは、最適化されたファイルではなく、通常のファイルとしてバックアップされます。重複排除対応ボリュームからバックアップされたファイルは、重複排除対応ボリュームにリストアされた場合、通常のファイルとしてリストアされます。
ファイルサーバー向けのPhoenixコンポーネント
Phoenixクラウド: PhoenixクラウドはPhoenixのサーバーコンポーネントです。Phoenixクラウドは、ファイルサーバーにインストールされるPheonixエージェントから来るバックアップおよびリストア要求を認証、認可し、要求を満たすためにPhoenixストレージへリダイレクトします。
Phoenix管理コンソール: Phoenix管理コンソールはWebベースの統合コンソールで、ファイルサーバーがどこにあったとしても、自社で管理するファイルサーバーの状態やステータスについて完全な可視性と高度な情報を提供します。ストレージインフラストラクチャ内にあるすべてのファイルサーバーを全体的に表示でき、それらのデータのバックアップ、リカバリ、アーカイブするよう構成します。これによりPhoenix管理者は以下が行えます。
- 組織のサーバーインフラストラクチャでバックアップを行うようファイルサーバーを登録および設定する.
- バックアップポリシー、保存ポリシー、その他を定義してPhoenixのアクティビティを制御する
- バックアップとリカバリのジョブ、アクティビティ、レポートを監視する
- Phoenixエージェント: Phoenixエージェントはクライアント側のコンポーネントで、各ファイルサーバーに個別にインストールされます。社内のファイルサーバーのバックアップとリストアを行うためにPhoenixファイルサーバーエージェントを導入し、登録する必要があります。
- Phoenix CloudCache: Phoenix CloudCacheは専用サーバーで、Phoenixエージェントからのバックアップおよびリストアデータを一時的に保存します。その後、定期的にPhoenix CloudCacheはこのデータをPhoenixクラウドと同期させ、インフラストラクチャの帯域消費を緩和します。
バックアップで包含または除外するファイル種別
Phoenixでは、バックアップに包含するか、バックアップから除外するファイル種別を定義することができます。Add Backup Policyウィザードでは、除外ファイルの種類 (Exclude file types) と包含するファイル種別 (Include file types) のオプションを設定し、必要なファイル種別を除外または包含することができます。
- デフォルトで除外されている特定のファイル種別: 動画ファイル (Video files), 音声ファイル (Audio file), 実行ファイル (Executables), 画像ファイル (Image files)
- デフォルトで包含される特定のファイル種別: Officeファイル (Office files), PDFファイル (PDF files), HTMLファイル (HTML files)
定義済みファイル種別を追加または削除することで、デフォルトの選択を変更することができます。
以下の表に、バックアップポリシーからファイル種別の包含または除外に使用できる定義済みファイル種別を示します。
定義済みファイル種別 | ファイル拡張子 |
---|---|
Office files (Officeファイル) |
.doc, .ppt, .xls, .docx, .docm, .xlsx, .xlsm, .xts, .xltm, .pptx, .pptm, .odt, .odb, .ods, .odp, .odg, .odc, .odf, .odi, .odm, .ott, .ots, .otp, .otg, .otc, .otf, .oti, .oth, .txt, .adp, .adn, .accdb, .accdr, .accdt, .accde, .dotx, .xltx, .mdb, .mda, .mdt, .mdw, .mdf, .mde, .mam, .maq, .mar, .mat, .maf, .ppl |
Image files (画像ファイル) |
.gif, .jpg, .bmp, .png, .tif, .jpeg, .raw, .pic, .pct, .pxr, .sct, .ico, .PSD |
HTML files (HTMLファイル) |
.html, .htm, .mht, .mhtml, .shtml |
Audio files (音声ファイル) |
.ogg, .mp3, .wav, .flac, .mpc, .au, .aiff, .aac, .m4a, .ra, .ape, .wma |
PDF files (PDFファイル) |
|
Video files (動画ファイル) |
.avi, .mpg, .mpeg, .divx, .rmvb, .wmv, .mov, .rm, .swf, .flv, .mkv, .3gp, .mp4 |
Executables (実行ファイル) |
.exe, .dll, .msi, .com, .drv, .sys, .cpl, .ocx, .msp |
ファイルサーバーバックアップから除外されるフォルダ
Phoenixはデフォルトでは、ファイルサーバーのバックアップから特定のフォルダを除外します。これは、WindowsおよびLinuxのオペレーティングシステムにバックアップから除外できるシステム固有のファイルが含まれているためです。たとえば、Windowsサーバーの「ごみ箱」には以前削除したファイルとフォルダが含まれており、これらファイルはバックアップから除外できます。
以下の表は、Phoenixがバックアップから除外するフォルダの一覧です。バックアップポリシーの作成時、これらフォルダはExclude subfolders フィールド配下に除外フォルダとして表示されます。
Note: Backup Content tabタブでPhoenixがデフォルトで除外するフォルダをバックアップ対象とするには、包含したいフォルダの “x” アイコンをクリックします。
オペレーティングシステム名 | フォルダ名 |
---|---|
Windows
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|
Linux
|
|
バックアップ機能
Phoenixは、ファイルサーバーに以下のバックアップ機能を提供します。このセクションでは、ファイルサーバーの各種機能について説明します。
手動バックアップ
- 手動バックアップでは、Phoenixはバックアップポリシーで定義されたデータのみがバックアップされます。
- 手動バックアップでは、バックアップポリシーで定義したバックアップウインドウ (時間帯) の制限が無効になります。すべてのデータがバックアップするまでバックアップは継続されます。
- バックアップ中にネットワーク接続障害が発生した場合、PhoenixエージェントまたはバックアッププロキシはPhoenixクラウドへ再接続を試みます。接続が復旧すると、中断された状態からバックアップが再開されます。
- 手動バックアップでは帯域制限は行われず、使用可能な最大帯域がつかわれます。
- 自動再開 (Automatic Retry) 機能は、手動バックアップでは機能しません。
空フォルダーのバックアップ
バージョン 4.6.8 以降では、空のフォルダーをバックアップしてリストアすることができます。バージョンアップすると、USNジャーナルが有効であるWindowsファイルサーバーエージェントでは以下のようになります。
- 最終バックアップ以前およびエージェントのバージョンアップ以前に作成された空のフォルダーはバックアップされません。これらからのフォルダーをバックアップするには、Druvaサポートへお問い合わせください。
-
最終バックアップ以降に、エージェントのバージョンアップ前に作成された空のフォルダーがバックアップされます。
UNC共有がバックアップ対象に構成されているWindowsファイルサーバーエージェントでは、バージョンアップ前後に作成されたUNC共有内の空のフォルダーがバックアップおよびリストアされます。
Linuxファイルサーバーエージェントのバージョンアップ後に、アップグレード前後で作成された空のフォルダーがバックアップおよびリストアされます。
プレバックアップスクリプトおよびポストバックアップスクリプト
Phoenix では、管理者はファイルサーバーエージェントがカスタムでバックアップ前およびバックアップ後のスクリプトを実行するよう設定することができます。プレバックアップスクリプトはバックアップジョブの前に実行され、バックアップ前に実施すべき操作を行います。ポストバックアップスクリプトはバックアップジョブの後に実行され、特定のバックアップ後操作を実行します。プレバックアップおよびポストバックアップスクリプトの設定を使用して、顧客主導の処理タスクを実行することができます。詳細については Pre backup and post backup scripts for File server を参照してください。
混在したワークロードのサーバーバックアップ (バックアップセット)
Phoenix のバックアップ機能は、混在したワークロードを実行するサーバーでも利用できます。この機能を使用すると、単一サーバー上のファイルサーバー (Windows) および MS-SQLデータベースサーバーを含む複数のデータセットのバックアップを構成できます。詳細については Backup servers with mixed workload (Backup sets) を参照してください。
スマートスキャン
スマートスキャン機能は、バックアップのスキャン時間を最適化します。スマートスキャンではスキャン時間を最適化するため、前回のバックアップ以降に変更されていないファイルのアクセス制御リスト (ACL) のスキャンを除外します。ACLメタデータとアクセス許可は毎日変更されませんが、これらACL属性のスキャンには時間がかかります。そのため、前回のバックアップ以降に変更されていないファイルに対してスマートスキャンがACLスキャンを除外し、その月で最後にスケジュールされたバックアップでのみスキャンを行うようにします。
デフォルトでは、スマートスキャンオプションは無効になっています。バックアップポリシーの作成または編集時に、このオプションを有効にすることができます。詳細については以下を参照してください。
Note: ACLはLinuxではサポートされないため、本機能はLinuxでは適用されません。
スマートスキャンに関するよくある質問については、 File server FAQs を参照してください。